ドイツでの水道光熱費の請求方法とタイミングについて
はじめに:
ドイツでは、水道光熱費(一般的に「エネルギーコスト」と呼ばれる)の請求方法が他国
と異なります。そのため、思いがけず高額な追加請求を受けることもあります。以下で
は、そのような事態を避けるための方法をいくつか説明します。
ドイツでの水道光熱費とは何を指すのか
- 暖房システムおよび設備に関する費用:
エネルギー消費にかかる費用
制御システムや電動ポンプ用の電力費用
- 水道に関する費用:水道水(常水)
排水(下水)
- サービスおよび施設に関する費用:
エネルギー消費を測定するための暖房システムのメーター
水道水の使用量を測定するメーター
メーターの読み取りおよび請求処理のサービス費用
計測方法
水道水の使用量は、水流メーター(水道メーター)によって測定されます。
場合によっては、温水(赤)と冷水(青)を区別するために、2つのメーターが設置され
ていることもあります。
排水は計測されません。排水の量は、水道水と同量であると仮定されます。
暖房システムや温水に必要なエネルギー消費量は、中央の熱量メーターまたはラジエー
ターに設置された分散型・直接計測メーターによって測定されます。
排水は計測されません。排水の量は、水道水と同量であると仮定されます。
暖房システムや温水に必要なエネルギー消費量は、中央の熱量メーターまたはラジエー
ターに設置された分散型・直接計測メーターによって測定されます。
熱量メーターの場合は、エネルギー消費量が直接**kWh(キロワット時)**で表示されま
すが、直接計測メーターの場合は、エネルギー消費量を計測会社が別途換算する必要があ
ります。
各メーターの値を確認するために、物件管理会社または計測会社の担当者が住宅に訪問
し、メーターの値を手書きで記録します。
このような方法は、特に日本から来られるお客様にとっては驚かれることが多いです。日
本では他人が家の中に入ってメーターを確認することはなく、メーターは通常建物外に設
置されているため、部屋の中に入る必要はありません。
※屋根や敷地内の雨水も排水として扱われます。処理が必要な水量を屋根面積や敷地面積
に基づいて見積もり、その分が請求されます。
請求の頻度
請求書は毎年1回、暦年ごとに発行されます。計測サービス費用をできるだけ抑えるため
に、エネルギーコストは年に一度だけ算出されます。
これに関しても日本とは異なります。日本の家庭では計測が毎月行われ、その都度請求書
が作成されます。そのため、日本の借主は消費状況をよく把握でき、それに応じて対応す
ることができます。
一方、ドイツでは借主は1年間消費状況がわからないままで、その後まとめて過去12ヶ月
分の消費明細を受け取ります。このため、時に驚きの請求が発生することもあります。
また、賃貸契約が終了する場合は、中間計測が行われます。
消費量の数値は通常、引き渡し時の報告書に記録されます。
請求の時期と方法
前述の通り、請求は年に一度行われます。多くの管理組合や家主は、暦年の年末に請求を
行います。ただし、請求をいつまでに行わなければならないかについての法的な規則はあ
りません。賃貸契約が終了した場合、家主は請求書を作成するために最大12ヶ月の猶予期間がありま
す。
ります。
また、賃貸契約終了時の中間計測にかかるサービス料金を家主が借主に請求する権利があ
水道およびエネルギーの使用量の情報は家主より開示されるべきか
請求が不正確である疑いがある場合、借主は関連する証拠や記録(プロトコル)の提示を
求める権利があります。しかし、基本的にメーターは正しい数値を表示しているはずで
す。問題があるとすれば、読み取りを誤っている可能性があります。
高額なエネルギー使用料に対して異議を申し立てることは可能か
通常、過去数年分の消費情報が提供されるため、比較の基準があります。初めて入居する
物件の場合は過去の情報がないため、推定消費量による請求となります。
もし追加請求額が家賃の2か月分を超える場合、つまり推定が故意または過失で大幅に外
れていた場合は、借主には特別解約権があります。
どの費用を節約できるか
使用方法により影響が出るため、消費にかかる費用が節約しやすいです。
サービス費用は固定費用のため、基本的には節約できません(追加サービスを利用しない
場合)。
したがって、節約できるのは水道高熱費用のみとなります。
どの節約が最も効果的か
通常、暖房費が最も高額になります。水道水の節約も多少は効果はありますが、節約効果
が最も大きいのは暖房の使用方法です。
暖房費の節約方法
- 必要最低限の温度に設定する:
室温を1度下げるだけで、年間で数百ユーロの節約になります!
- 部屋ごとに温度を調整する:
実際に使用している部屋のみに暖房を利用しましょう。
- 部屋のドアを閉めておく:
部屋ごとにしっかりと暖房使用箇所を仕切る(ドアを閉める)ことが重要です。
- 服装で調整する:
冬にTシャツで快適に過ごせるような24度の室温設定にすると、追加請求が**4桁
ユーロ(数十万円)**になる可能性があります。
- 必要ないときは暖房を切る:
特に外出時など、暖房が不要なときはこまめに切るようにしましょう!
- 夜間は暖房をオフにする:
夜は暖房をオフにして、朝にまたつけ直すなどの調整が有効です。
ドイツでは、これらのポイントは常識とされています。暖房費の見積もりは、これらの行
動が前提となっています。
特に室温の設定や暖房を切ることなど対策をしない場合は暖房費に大きな影響が出ます。
一度部屋の温度を設定したら、それをずっと変えないという駐在員の方もいますが、
この使用方法だと非常に高額な暖房費を招く原因になりかねません。
使用料を節約する正しい方法は、その時々の状況に応じて、温度をこまめに調整すること
です。
温水消費量の節約方法
- 全体的に水道水の使用量を減らす:
水を節約することは、温水の使用量の削減にもつながります。
- シャワーの時間を短くする:
にします。
体をさっと濡らし、洗っている間は水を止め、流すときだけまたお湯を使うよう
- 湯船につかるのを避ける:
浴槽1杯分には何百リットルものお湯が必要です。1回の入浴で数ユーロ(数百
円)かかることもあります。
終わりに:暖房費の請求の時期、方法。エネルギーコストの節約方法
-
水道光熱費には、サービスに関わる追加費用も含まれます。
-
ドイツでは、計測会社の担当者が年に一度は必ず住居に入り、消費量を記録します。
-
請求は年に1回、通常は年末に行われます。
-
本文で紹介した節約方法は、ドイツにおいて「正しい使用方法」とされ、常識的な行動とみなされています。
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使用方法を誤ると、エネルギー費用の請求に大きな影響を与え、高額な追加請求につながる可能性があります。ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
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